皆さんこんにちは。陽です。
資産形成、投資が注目されてきており
色んなサイトやYouTubeをみている方も増えてきていると思います。
調べていると、よく聞くのは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」通称オルカン。
「オルカンのみに投資してます。」「オルカン買っておけば間違いない。」「初心者はまずオルカン」
そういったコメントや投稿を数多く目にします。
そうはいうけどオルカンってそもそもどういうものなのか、よくわからないけど、とりあえず積立を行っている方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなオルカンについての記事になります。
オルカンについては、まず以下の3つの事柄について覚えておきましょう。
・オルカンの投資先
・オルカンの運用実績
・運用にかかるコスト
一つずつ解説していきます。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とは
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)に連動する投資成果を目指して運用を行っている投資信託になります。
いきなり難しい言葉を出してしまいましたが
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスとは、略してACWI(アクウィ)と呼ばれ
MSCI Inc.(モルガンスタンレーキャピタルインターナショナル)
というアメリカの会社が開発したベンチマーク(株価指数)のことです。
ACWIとは
・先進国23カ国、新興国24カ国の計47カ国が投資対象
・投資銘柄は上記の国に上場している株式役2,900銘柄
・株式市場の約85%をカバーしている指数
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、この株価指数に合わせて自動的に国や地域などの投資先を調整して運用をしている投資信託となります。
投資先の調整方法は、時価総額加重平均と呼ばれる方法をとっています。
時価総額加重平均とは
投資対象は47カ国2,900銘柄ですが、その全てに均等に投資しているわけではありません。
時価総額の大きい銘柄には投資する割合を増やし、逆に小さい銘柄には割合を減らす仕組みになっています。
※時価総額=株価×株式数(時価総額が高い=人気企業)
人気の企業には多く投資する、ということです。
オルカンの投資先
以下の図が、現在のオルカンの投資先の比率になります。

全世界株式とは銘打ってますが、約60%はアメリカの企業に投資しています。

組入上位銘柄を見ても、10位まで全てアメリカの企業で占めています。
アップル、マイクロソフト、アマゾンなどGAFAMと言われるような有名な企業が多いことがわかるかと思います。
※GAFAM…アメリカの情報技術産業で、最も規模が大きく名声のある5社
Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft
過去にはフェイスブックも上位に入っていましたが、現在は伸び悩んでおり、上位からは外れています。このように自動的に投資する銘柄を調整してくれているわけですね。
過去の運用実績
マイインデックスというサイトにて、ACWIの過去30年間の実績を確認することができます。

積立NISAの非課税投資期間である20年間のリターンに着目して見てみると
過去1年間の運用リターンのみマイナスとなっていますが、3年以上の運用実績は全てプラスとなっていることがわかると思います。
20年運用時のリターンは9.1%であり、100万円運用していたと仮定すると575万円となり475万円の利益が生じたことになります。
過去の投資運用成績を見ても、20年間の長期積立投資を行い、元本割れ(元の投資資金を下回る)を起こした期間はなかったいうデータも出ています。
短期間では運用実績がマイナスとなることもありますが、長期投資を行うことでリターンが発生する可能性は高いということです。
もちろん、未来のことはわからないのであくまで可能性の話になりますので、損失が発生する場合もあることは頭に入れておきましょう。
運用手数料(コスト)
投資信託には、主に4種類の手数料が発生します。
①購入時手数料
まずは、購入時手数料。これは、投資信託購入時に生じるコストです。
②信託財産留保額
投資信託を解約するときに支払うコストです。
③信託報酬
毎年支払う必要がある、投資信託保有コストになります。
これらのコストは、投資信託を購入する際に事前に読む目論見書に詳細が記載されています。
④その他コスト
①〜③以外にも、資金の保管や売買仲介人に支払う手数料などが生じます。
これは運用状況により変動する為、決算期ごとの運用報告書を確認する必要があります。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の手数料
では、オルカンの手数料はいったいいくらなんでしょうか。

上の画像は、オルカンの目論見書から抜粋したものになります。
①購入時手数料、②信託財産留保額については、費用は発生しません。
③の信託報酬は、年率0.1144%となっていますので
積立NISAで年間40万円投資したとしても、460円程度の手数料しか発生しません。
信託報酬が⒈0%以上の投資銘柄もあるため、オルカンの信託報酬はとても安い部類に入るかと思います。
また、2022年4月に交付された運用報告書の費用明細がこちらになります。

(b)〜(d)が④のその他コストに該当します。
合計が0.170%なので、40万円の年間投資で680円。
信託報酬と合計すると、約1,100円程度積立NISA1年間の運用コストとして発生しているということです。
まとめ
ここまで色々オルカンの中身について解説しましたが、最後になぜ初心者はオルカンがおすすめなのか、という結論になります。
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、先進国・新興国の株式約2,900銘柄に分散投資している。そのうち62%はアメリカ株。
リスク管理の為投資は分散が必須ですが、オルカンを買うだけで世界に分散が可能。
・過去20年間のリターンは9.1%であり、これは100万円の運用で475万の利益が生じる計算になる。過去のデータからも20年間の運用で損失が出たことはなく、今後もある程度の利益の獲得が見込める。(未来の事柄は未確定であり、損失が出ることも有り得る。)
・運用にはコストがかかるが、オルカンは他の投資信託と比較して非常に安いコストで運用できる。
以上が、eAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)についての概要になります。
おすすめされているから、人気があるから選ぶのではなく、しっかり中身を理解した上で投資を行いましょう。
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